寄託者と出願人は一致しなくてもよい
寄託者と出願人の同一性を要求するような規定がそもそもないのです。
ちなみに、微生物の寄託に関する特許法施行規則は次のとおりです。
(微生物の寄託)
第二十七条の二 微生物に係る発明について特許出願をしようとする者は、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその微生物を容易に入手することができる場合を除き、その微生物の寄託について特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約(以下この条において「条約」という。)第二条 (viii)の国際寄託当局の交付する条約に基づく規則第七規則の受託証のうち最新のものの写し又は特許庁長官の指定する機関にその微生物を寄託したことを証明する書面を願書に添付しなければならない。
2 特許出願の後に前項の微生物の寄託について新たな受託番号が付されたときは、特許出願人又は特許権者は、遅滞なく、その旨を特許庁長官に届け出なければならない。
3 前項の届出は、様式第三十三によりしなければならない。
(微生物の試料の分譲)
第二十七条の三 前条の規定により寄託された微生物に係る発明を試験又は研究のために実施しようとする者は、次に掲げる場合は、その微生物の試料の分譲を受けることができる。
一 その微生物に係る発明についての特許権の設定の登録があつたとき。
二 特許法第六十五条第一項 の規定によりその微生物に係る発明の内容を記載した書面を提示され警告を受けたとき。
三 特許法第五十条 (同法第百五十九条第二項 (同法第百七十四条第一項 において準用する場合を含む。)及び同法第百六十三条第二項において準用する場合を含む。)の意見書を作成するために必要なとき。
2 前項の規定により微生物の試料の分譲を受けた者は、その微生物の試料を第三者に利用させてはならない。