キャッシュフロー経営
キャッシュフローは、規模の大小、ビジネスの種類を問わず、経営にとって常に重要な課題です。。。稲森先生の経営の本を読んでも、業界の先輩諸兄姉の話を聞いても、また、他のビジネスの方の話を伺ってみても、異口同音ですね。。。
会計上黒字であっても、資産が負債を上回っても、キャッシュフローが成り立たなくなれば、ビジネスはジ・エンドです。。。上場企業の倒産においても、黒字で倒産する事案が年によっては半分以上あるそうです。
そして、特許事務所は、比較的に、キャッシュフローの問題が生じやすい業種です。
というのも、先ず、仕事自体、先に着手金などをもらうことは少なく、仕事をし終えた後に、請求させて頂くのが通常だからです。そして、そのような売掛金も入金されるまでは、単なる帳簿上の数字であり、キャッシュとして使える資金ではありません。
また、特許庁や外国事務所への立替費用といった先に支払ってから後からお支払い頂くという性質のお金が多いといえます。さらに当然ながら、敷金といった、資産に計上されるようなものであっても、実際には全く利用できない資金もあります。事務所によっては、何千万とか何億といった敷金を預けているようです。そのような資金は、死ぬまで使えない(そして、死んではなおさら使えない)、あってないような資金なわけです。
このように、資金繰りを考えなければならないという問題に加えて、クライアントや外国事務所からのお支払いが滞れば(もっといえば、クライアントや外国事務所が倒産すれば)、キャッシュフローに大きな影響を与えます。利益率10%の事業で、10%の顧客からのお支払が困難になると、かなりピンチになることは想像に難くないでしょう。。。
多くの特許事務所が、賞与・税金・家賃・業者・関連会社への支払いのために、ぎりぎりまで計算をして、銀行から借金をして資金繰りをするそうです。。。つまり、期末に賞与を払うタイミングでは、キャッシュが不足し得るわけです。また、決算後に税金を払うタイミングでも、キャッシュが不足し得るわけです。そのような経営者様の苦労には本当に尊敬の念を抱きます。。。弊所も関連会社への支払いを遅らせることにより、キャッシュフローを維持したりしています。しかし、本来的には、銀行から借金をして資金繰りをするべきなので、来年以降は、きちんと借金して、関連会社への入金に遅れが出ないようにすべきことを誓いました。
確かに、弊所は幸か不幸か、一度も銀行から借入をすることなく経営していますが、銀行からの借入などはとても重要なことのようです。設計事務所の経営者であった父からも、そのようなアドバイスを受けました。
一生懸命頑張るメンバーのため、また、弊所を信頼して頂いているお客様のためにも、盤石の体制で経営をしていきたいと思います。