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訂正審判や訂正請求における訂正の内容の確認


訂正審判や訂正請求における訂正の内容は、どのように確認すればよいのでしょうか?という質問を受けることがあります。

特許公報がもう一度でるわけではありません。訂正公報というのがありますが、これは、特許庁側の原因による公報の掲載内容の誤りを訂正するものであり、訂正審判や訂正請求とは無関係です。

したがいまして、FTOの鑑定をする場合などにおいて、特許公報だけ見ていては、最新の権利内容を把握するためには不十分です。

条文上は、特許法第193条第2項第7号において、
(特許公報)
第百九十三条  特許庁は、特許公報を発行する。
2  特許公報には、この法律に規定するもののほか、次に掲げる事項を掲載しなければならない。
一  出願公開後における拒絶をすべき旨の査定若しくは特許出願の放棄、取下げ若しくは却下又は特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ
二  出願公開後における特許を受ける権利の承継
三  出願公開後における第十七条の二第一項の規定による願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正(同項ただし書各号の規定によりしたものにあつては、誤訳訂正書の提出によるものに限る。)
四  特許権の消滅(存続期間の満了によるもの及び第百十二条第四項又は第五項の規定によるものを除く。)又は回復(第百十二条の二第二項の規定によるものに限る。)
五  審判若しくは再審の請求又はこれらの取下げ
六  審判又は再審の確定審決(特許権の設定の登録又は出願公開がされたものに限る。)
七  訂正した明細書及び特許請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容(訂正をすべき旨の確定した決定又は確定審決があつたものに限る。)
八  裁定の請求若しくはその取下げ又は裁定
九  第百七十八条第一項の訴えについての確定判決(特許権の設定の登録又は出願公開がされたものに限る。) 
とされています。

実務上は、特許審決公報の審決部に続けて、「特許訂正明細書」として掲載されます。

したがいまして、特許審決公報DB等で確認することができるかと思います。

なお、無効審判や訂正審判が請求された場合には、特許登録令3条により予告登録されます。

(予告登録)
第三条  予告登録は、次に掲げる場合にするものとする。
一  登録の原因の無効又は取消しによる登録の抹消又は回復の訴えが提起されたとき。ただし、登録の原因の無効又は取消しをもつて善意の第三者に対抗することができる場合に限る。
二  特許法第七十四条第一項 の規定による請求に係る訴えが提起されたとき。
三  特許無効審判、延長登録無効審判又は訂正審判の請求があつたとき。
四  再審の請求があつたとき。

したがいまして、特許原簿の取り寄せをすれば、これらの審判の請求があったかどうか、すぐにわかるわけです。ちなみに、特許登録令1条により、これらの審判の確定審決も特許原簿に登録されます。

(登録事項)
第一条  特許に関する登録は、特許法第二十七条第一項 各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項についてする。
一  特許無効審判、延長登録無効審判又は訂正審判の確定審決
二  再審の確定審決




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